タスク・アンビアント空調とは(第1回目)
従来の空調は作業場全体を快適にすることを目的としていましたが、タスク・アンビエント空調はフロアを個人のデスク周りなど人が作業する「タスク空間」と、人があまりいない「アンビエント(周囲の)空間」に分けています。「アンビアント空間」の空調では外壁からの熱負荷や全体照明負荷などを除去しています。 「タスク空間」の空調では機器の発熱や人体からの発熱を除去して温度を効率的に調整することで全体としての省エネを図ります。個別に空調を制御するので快適性も高まります。
現在多く出回っている空調は、空調本体の吹出し口から空気を流す方法が一般的です。一方、タスク空調は床や個々のデスク、パーテーションなど、個別に吹出し口を設置します。作業場のレイアウトや個別の熱負荷に柔軟に対応できる点がメリットです。最近では、双方の空間における個別の熱負荷を予測して,AI連携させた空調システムも開発されています。機器や人体の熱負荷に対して、事前に登録されている個人の温冷感データをもとに空調を自動制御する仕組みを組み込むことも可能です。休憩時間などの時間帯別で熱負荷を予測して管理することもできます。
タスク・アンビエント空調のメリットを考えてみましょう。
①集中力の向上:空調が効きすぎて寒いということが少なくなるので、より自分の仕事に集中することができます。
②作業効率の向上:環境が整うことで集中力が高まり、作業効率が向上し生産性が高まります。
③健康への配慮:空調が快適なことで寒暖差による健康被害がおこりにくくなり、換気が計画的に行われることで感染予防に繋がったりします。また、快適な環境はストレスを軽減し疲労感を減少させるため、働く人の心身の健康に良い影響を与えます。
④エネルギー効率の向上:必要な場所だけを効果的に空調を調節することでエネルギー消費の無駄を減らします。
⑤運用の柔軟性がある:機器の稼働すくジュールや社員一人一人の健康に合わせて環境を調整できるため、多様なニーズに答えることができます。
出典:大林組ホームページ