4.一般的なエアコンとAGEの消費電力の違い ―― なぜ10分の1以下を実現できるのか同じ冷却能力でも、必要な電力は大きく異なる

空調設備の省エネルギー性能を比較する際に重要なのは、単に吹き出す空気の温度を見ることではありません。
どれだけの熱を取り除き、そのためにどれだけの電力を使用しているか。
この二つを比較する必要があります。
例えば、50kWの冷房能力を持つ一般的なエアコンについて考えてみます。
COPが4の場合、50kWの冷房能力を得るためには、約12.5kWの電力が必要です。
しかも、これはCOPが4で運転できている場合の数値です。
夏の猛暑によって冷房効率が低下し、COPが3となれば、同じ50kWの冷房能力を得るために必要な電力は約16.7kWに増加します。
このように、一般的なエアコンでは、必要な冷房能力に対して圧縮機を中心とした大きな電力が必要となります。
AGEは大風量と自然冷熱を組み合わせる
これに対してAGEは、地下水などが持つ冷熱を直接利用し、大量の空気を効率よく冷却する方式を採用しています。
例えば、水温約15℃の地下水を利用できる場合、その冷熱を空気に直接伝えることで、大型の冷媒圧縮機を使用せずに冷却することができます。
AGEが開発してきた大風量型の装置には、600〜650W程度の送風機を用い、約50kW級の熱交換能力に対応する構成があります。
一般的なエアコンで同程度の冷房能力を得ようとすると、圧縮機を動かすために10kWを超える電力が必要になる場合があります。
一方、AGEでは自然の冷熱を利用するため、送風機と水循環設備などの比較的小さな動力を中心にシステムを構成できます。
もちろん、実際の装置全体の消費電力には、送風機だけでなく循環ポンプや給水設備などの動力も含まれます。
それでも、冷熱そのものを圧縮機でつくり出す必要がないことは、極めて大きな違いです。
冷たい風を少量送るのではなく、大量の風で熱を運ぶ

一般的なエアコンでは、比較的温度の低い空気を吹き出して室内を冷却します。
一方、AGEでは、それほど低温の空気をつくらなくても、大量の空気を送り出すことで大きな冷却能力を確保できます。
例えば、外気温が35℃の場合、AGEの装置から25℃程度の空気を大量に供給するという考え方です。
吹き出し温度だけを見ると、一般的なエアコンよりも高い場合があります。
しかし、空気によって運ばれる熱量は、空気の温度差だけでなく、風量にも大きく左右されます。
つまり、温度差が比較的小さくても、十分な風量があれば、大きな冷却効果を得ることができます。
この考え方は、工場、温室、畜舎など、大きな空間や大量の換気が必要な施設において、特に重要です。
必要以上に低い温度の空気を少量つくるのではなく、自然冷熱を利用した大量の空気で空間全体の熱を取り除く。
これがAGEの大風量空調の特徴です。
省エネルギー率は、設備の組み合わせによって変わる
AGEの省エネルギー性能は、自然冷熱を利用できる条件や設備構成によって異なります。
地下水の冷熱を直接利用できる場合には、一般的な圧縮式空調と比較して、消費電力を10分の1以下に抑えられる構成もあります。
また、地下水が利用できない場合でも、小型チラーなどを組み合わせることで、省エネルギー性を高めることができます。
このような複合型の設備構成では、条件によって従来方式に比べて70〜80%程度の消費エネルギー削減を目指すことも可能です。
重要なのは、すべての施設に同じ設備を導入することではありません。
利用できる水、外気条件、必要な温度、風量、既存設備などを総合的に判断し、最も効率的な組み合わせを選ぶことです。
省エネルギーの本質は、機械の仕事を自然に置き換えること

一般的なエアコンは、圧縮機の働きによって熱を移動させる優れた技術です。
しかし、自然界に利用できる冷熱が存在する場合、そのすべてを圧縮機に頼る必要はありません。
AGEは、自然界に存在する水の温度、気化の働き、空気と水の熱交換を最大限に利用します。
そして、不足する部分だけを機械エネルギーで補います。
機械の能力だけに頼るのではなく、自然がすでに持っている力を利用すること。
これが、AGEが大幅な省エネルギーを実現できる理由です。


