3.地下水15℃の冷熱を直接利用するAGEの空調方式自然界には、すでに利用できる冷熱が存在している


地下水などの冷熱を利用したAGE空調構成
真夏の外気温が35℃を超えるような日でも、地下には年間を通じて比較的安定した温度の水が存在しています。
例えば、水温15℃の地下水が利用できる場所では、外気温35℃との間に20℃もの温度差があります。
一般的なエアコンは、冷媒を圧縮・膨張させることで冷房に必要な低温をつくり出します。
これに対してAGEは、すでに自然界に存在している15℃の冷熱を、できるだけ直接、空気の冷却に利用するという考え方を採用しています。
つまり、冷たい水があるのに、わざわざ大きな電力を使って冷熱をつくり直す必要はないのではないか、という発想です。
これがAGEの省エネルギー空調の原点です。
単純なラジエーター方式とは異なる熱交換機構
地下水を利用した冷房には、冷たい水をラジエーターなどの熱交換器に通し、その表面に空気を当てて冷却する方法があります。
しかし、空気と水の間に金属などの伝熱面が存在するため、熱交換効率や処理できる風量には一定の制約があります。
AGEの空調システムでは、これとは異なる方式を採用しています。
その特徴は、低温域での水の気化と、空気と水の直接熱交換を同時に利用することです。
空気と水を直接接触させることで、空気が持っている熱を水へ移動させます。
さらに、その接触過程では水の一部が気化し、周囲から気化熱を奪う働きも生じます。
この二つの熱移動を組み合わせることで、単純に冷水をラジエーターに通すだけの場合とは異なる冷却機構を実現しています。
AGEは、この仕組みを生かして、大きな風量を効率よく冷却する空調システムを構成しています。
大量の空気を、少ない動力で冷却する
一般的なエアコンでは、大きな冷房能力を得るために、それに応じた圧縮機の動力が必要になります。
一方、AGEの地下水利用型空調では、地下水が持つ冷熱を直接利用するため、冷媒を圧縮する大型のコンプレッサーを必要としない構成が可能です。
主な動力は、大量の空気を送り出す送風機と、水を循環させるためのポンプなどです。
AGEが開発してきた大風量型の装置では、600〜650W程度の送風機を用いながら、約50kW級の熱交換能力を目指せる構成もあります。
大切なのは、冷風の温度だけを比較するのではなく、送り出す空気の量と温度差の両方から、空間に供給する冷却能力を考えることです。
例えば、一般的なエアコンが比較的低温の空気を送り出すのに対し、AGEは、それより温度の高い冷風であっても、大量の風を送ることによって必要な冷却能力を確保する方式を採用できます。
このように、自然の冷熱と大風量の送風技術を組み合わせることで、従来の圧縮式空調に比べて、消費電力を大幅に削減できる可能性が生まれます。
冷熱をつくるのではなく、自然の冷熱を届ける
AGEの空調技術が目指しているのは、エアコンの圧縮機を少しだけ高効率にすることではありません。
冷熱を得るために大きな電力を消費する仕組みそのものを見直し、自然界の温度差を積極的に利用することです。
地下水、河川水、冷却水など、利用できる自然の冷熱があれば、それをできるだけ直接活用する。
そして、自然の冷熱だけでは不足する場合に限り、必要な能力を機械設備で補う。
自然が持っている力を先に利用し、不足する部分だけを機械エネルギーで補う。
これが、AGEの空調システムを支える基本思想です。



