愛知県の地下水事情と地下水活用に有用な関連サイトをご紹介致します。

愛知県における地下水利用・地下水熱利用の概況

地下水利用・地下水熱利用を進めるにあたり、最も重要なのは地下水の賦存状況です。
当ページでは、愛知県における地下水事情と、地下水関連の有用サイトをまとめております。

※当情報は2018年12月現在の情報です。ご検討の際は最新の情報をご確認ください。

地下水利用における条例

はじめに確認すべき情報は、自治体毎の地下水汲み上げに関する条例です。
地下水利用時は、この条例に基づき、届出等を行い、採取量や井戸口径などを遵守する必要があります。

愛知県では、主に以下の法律・条令による規制がかかります。

①工業用水法
②県民の生活環境の保全等に関する条例
③市条例(名古屋市、半田市、津島市)

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<まず該当する法律・条令を確認してください>
①工業用水法の対象地域を以下に示します。
対象は工業用(製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業)の井戸のみです。
該当する場合は県条例よりこちらが優先されます。


図1:愛知県の工業用水法対象区域(愛知県HPより)

②県条例については対象地域が複雑になります。
設置に関し規制を受ける「規制区域(第1、2、3種)」と、
水量の測定・報告報告義務のみの「水量測定器設置義務地域」があります。


図2:愛知県の条例による規制区域(愛知県HPより)


図3愛知県の条例による水量測定器設置義務区域(愛知県HPより)
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●工業用水法対象地域の規制
名古屋市内の対象地域(南区の一部、港区の一部)と、尾張地方の対象地域で条件が違います。

名古屋市内対象地域(南区の一部、港区の一部 但し堀川以西の地域及び潮見町を除く。)
1)ポンプ吐出口径46cm2以下(実質75A以下)の井戸はストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下80m以浅
2)ポンプ吐出口径46cm2を超える(実質80A以上)井戸はストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下300m以浅

名古屋市内対象地域のうち上記以外
1)ポンプ吐出口径46cm2以下(実質75A以下)の井戸はストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下90m以浅
2)ポンプ吐出口径46cm2を超える(実質80A以上)井戸はストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下180m以浅

尾張地域
1)ストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下10m以浅または2,000m以深、
2)及びポンプ吐出口径6~19cm2(実質40A以下)
を満たし、知事の許可を受けることが必要となります。
特殊な状況や家庭用井戸を除き、実質的に新規の井戸設置が困難といえます。

なお共通事項として、小口径井戸(口径6cm2以下)の場合は小口径井戸設置計画書の届出のみとなります。
家庭用井戸については規制対象外となります。

●県条例による規制区域(第1、2、3種共通)
1)ストレーナ深度(汲み上げる深さ)が地表面下10m以浅、
2)ポンプ吐出口径6~19cm2(実質40A以下)
3)ポンプ定格出力2.2kW以下
4)揚水量350m3/日以下(事業所ごとの合計値)
を満たし、知事の許可を受けることが必要となります。
新規の井戸設置においては、10m以浅で水量が確保できるか良く確認する必要があります。

なお小口径井戸(口径6cm2以下)の場合は小口径井戸設置計画書の届出のみとなります。
家庭用井戸については規制対象外となります。

●県条例による水量測定器設置義務区域
ポンプ吐出口径19cm2以上(実質50A以上・複数本の場合は合計)の井戸を設置する場合は
設置時に水量測定器の設置、及び毎年の揚水量報告が義務付けられております。
基本的には揚水量などに対する規制はありません。

●名古屋市
基本的に県条例に準じますが、ポンプ吐出口径6cm2以下(実質25A以下)の井戸であっても
家庭用以外の井戸は設置届出と揚水量報告が必要となります。
また地下掘削工事を行う場合は、事前届出と地下水湧出量報告の義務が課せられます。

●半田市
ポンプ吐出口径6cm2以上(実質32A以上)の井戸を設置する場合は事前に設置届出が必要です。
その他、基本的な内容は県条例に準じます。

●津島市
井戸を設置する場合は、市への事前協議が必要です。
その他、地下水利用連絡者の設置などが定められています。

<リンク>
愛知県の地下水採取規制に関する条例等一覧(環境省)
https://www.env.go.jp/water/jiban/sui/j23.html
愛知県地下水規制の概要(愛知県)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/mizutaiki/0000034729.html
愛知県地下水規制のまとめ(愛知県)
https://www.pref.aichi.jp/ricchitsusho/gaiyou/files/sankou02.pdf
マップあいち(規制区域かどうかが地図上で確認できます)
http://profile.maps.pref.aichi.jp/lib/map.php?mid=1000066&UNAME=guest

排水に関する条例・規制

●放流水の水質基準
工場・事業場で使用した地下水を、側溝・河川等に放流する場合は、「水質汚濁防止法」における水質基準を遵守することが必要です。
地下水そのものが基準値を超えることは稀ですが、土壌汚染由来の汚染物質が流入しているケースもあり、事前に確認は必要となります。
各自治体で地下水汚染が確認された場合はデータを公表しています。

●下水道への放流と下水料金
下水道に使用した地下水を放流する場合、放流量に応じた下水道料金が発生します。
地下水を上水として使用する場合は、原則的に取水量メーターを基準に下水道料金を判定します。
ただし熱源として使用した地下水を側溝・河川等に放流する場合は、事前に自治体へ確認のうえ、下水料金にカウントさせないことが可能な場合が多いです。

●その他
地域によって、組合等で独自のルールを設けている場合があります。
農業組合、温泉組合、工業団地などに影響する場合はご注意ください。

<リンク>
排水の水質基準(群馬県)
http://www.pref.gunma.jp/04/e0900062.html
下水道の概況(群馬県)
http://www.pref.gunma.jp/06/h6610020.html”

地下水の賦存状況

愛知県は、濃尾平野に流れ込む木曽・揖斐・長良の三大河川に代表されるように、水が豊富な地域として知られています。
地下水が自噴している地域も多く、古くは農業用として、高度成長期においては尾張地域を筆頭に繊維・化学工業等で地下水が利用されてきた、地下水に恵まれた県といえます。
しかし過剰な汲み上げによる地盤沈下が発生したことから、上述のような厳格な規制とともに、自治体によるモニタリングが行われてきました。
現在では地盤沈下も沈静化の傾向にありますが、地下水利用の際には放冷遵守の上、沈下リスクを考慮した井戸設計が求められます。
適切な計画の範囲においては、非常に水資源に恵まれた地域として、地下水の利用は有効な県です。

水質・深度は地域によってまちまちで、飲用適合の水質の地域もありますが、沿岸地域では塩水傾向があるなど、事前に専門家による確認が必要です。

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