第3章 祖母のぬくもり 

私の子ども時代を語るうえで、 
祖母の存在は欠かすことができない。 

祖母はとても優しい人だった。 
そして、静かに人を支える強さを持った人でもあった。 

私が小児喘息で苦しんでいた夜、 
祖母はいつもそばにいてくれた。 

苦しくて息ができないとき、 
祖母は黙って背中をさすりながら、 
静かな声でこう言った。 

「大丈夫よ。」 

その言葉には、不思議な安心感があった。 

夜中に何度も呼吸が苦しくなり、 
眠れない時間が続くこともあった。 

それでも祖母は、 
一度も嫌な顔をすることはなかった。 

ただ静かに寄り添い、 
私が落ち着くまでそばにいてくれた。 

祖母の手は温かかった。 

小さな手だったが、 
その手に触れられると、 
なぜか安心することができた。 

私がこうして今生きているのも、 
祖母のおかげだと思うことがある。 

祖母の家は、決して裕福ではなかった。 
むしろ、生活は決して楽ではなかったと思う。 

それでも祖母は、 
姉と私を大切に育ててくれた。 

食事を用意し、 
学校へ送り出し、 
毎日の生活を支えてくれた。 

特別なことは何もなかった。 

けれどその日常の中に、 
確かな愛情があった。 

祖母は多くを語る人ではなかった。 
人生について説教することもなかった。 

ただ、 
毎日の暮らしの中で、 
人としてのあり方を静かに教えてくれた。 

人に優しくすること。 
困っている人を助けること。 
感謝を忘れないこと。 

それらは言葉ではなく、 
祖母の生き方そのものから伝わってきた。 

私は子どもながらに、 
祖母のことをとても尊敬していた。 

そして今になって思う。 

人の人生には、 
いくつかの大きな出会いがある。 

祖母との出会いは、 
私の人生の中で 
最も大きなものの一つだったのかもしれない。 

もし祖母がいなかったら、 
私はここまで生きてこられなかったかもしれない。 

祖母のぬくもりは、 
私の心の奥に今も残っている。 

そしてそのぬくもりは、 
人生の長い旅の中で、 
静かに私を支え続けているのである。 

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